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Interview | コレクションと暮らす、
好きが詰まった家。

2020.11.23/ INTERVIEW
Interview | コレクションと暮らす、
好きが詰まった家。

世界で一番、居心地の良い空間

幼いころから整理整頓、模様替えが大好きだったという奥さま。きれいに整えられた部屋たちが印象的だった。
「とにかく掃除、整理整頓が大好き。そこに好きな家具を置いて、その空間に居るのが心地よいです。」

ご夫婦ともにかねてから家具に関心があり、この家の建築前から少しずつ揃えてきた家具がほとんどだ。中でもアントニオ・チッテリオのソファ(B&B Italia)は奥さまのお気に入り。このソファーのコンセプトである浮遊感をより演出するために、床材は艶のあるタイルを選んだ。USMハラーのキャビネットやGLAS ITALIAのガラスケースも建築にうまく調和している。お気に入り家具たちが活きるよう設計されたこの家は、ご夫婦にとってこの上ない空間だ。

「自分の好きが詰まった別荘のような家ですね。どんな旅館に泊まるより、ずっといい。この家には私たちの全てが詰まっていると感じます。世界で一番、居心地の良い空間ですね。」

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好きが詰まった家。
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壁の色使い

この家の建築計画中、様々な建築誌を見ている中でご夫婦の目に留まったのが、オーストラリア生まれのインテリアペイント『PORTER'S PAINTS(ポーターズペイント)』の作り出す壁の色味だった。特にパープルの発色の良さには一目惚れしたそう。この家では全ての内壁がポーターズペイントで塗られている。メインにホワイト、手洗い場に濃紺、玄関にブルー、寝室にはグリーンを使用。華やかな配色でありながらも、 ナチュラル過ぎず陰影の美しいモダンな仕上がりは、ご夫婦の人柄をあらわしているようにも見える。

また、手洗い場の壁面には藍色が目を引く陶器が埋め込まれていた。これは瀬戸焼の窯元である奥さまの実家で代々受け継がれてきた作品とのこと。この家で取り付けられる前はご実家の外壁に埋め込まれていたそうだ。洗面器の色を黒にすることで、瀬戸焼の白が映える仕上がりに。

「実家の土壁にはめられていた思い出の品がこんな形で蘇るのは嬉しいですね。」

奥さまの実家で受け継がれてきた瀬戸焼のタイル

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お気に入りの時間

この家で奥さまが愉しむのは書道とバレエ鑑賞。
幼いころから励んでいた書道は数々の展覧会に出展し入賞も果たしている。金沢市で暮らしていた頃には教室も構えていたほどの腕前だ。今現在も筆を走らせており、富山市では書家・森大衛氏に師事を受けている。バレエ鑑賞はお気に入りのソファに腰掛けながら、プロジェクターで白い壁面に映像を投影し楽しんでいる。

また、ワインはご夫婦共通の趣味。
ご主人お気に入りのポーゲンポールキッチン付属のグリルで焼いたお肉とともに嗜んでいる。取材時、ご主人は不在だったが、キッチンのカウンターに並んで座るご夫婦の姿が目に浮かんだ。

「このグリルでお肉を焼くとどんなお肉でも美味しく感じられちゃいます。ワインと一緒にいただくのが至福のひとときですね。」

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好きが詰まった家。
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ワインセラーにはコレクションが並ぶ

DATA

所在:富山市
竣工:2016年
構造:鉄骨造
敷地面積:242.98㎡
建築費:5,000~5,500万円(システムキッチンは含まない)
家族構成:ご夫婦

家具・照明:

・ソファ Charles/B&B Italia

・キャビネット類/USM Haller

・LEMスツール/AZUMI
・ガラスケース/GLASITALIA
・2097/30ペンダント/FLOS
・S7164スタンド/yamagiwa
・Toldbod155ウォール/louis poulsen

Written by 51% Achitecture
51% Architectureは、富山と東京に拠点を置く建築設計事務所。全国で様々な住宅・商業施設・オフィスの設計、リノベーション、インテリアコーディネート等を手掛け、流行に左右されないタイムレスで心踊る建築を探し続けています。
Editing by 51%
ある陶芸家さんが言いました。「美しいか、否か?なんてのは、ほんの些細な違いだよ」「いつも51対49でせめぎ合ってるよ」「だから僕達創り手は、ほんの些細なその1%に魂を込めて、その1%に願いを託すんだ」いつもややこしいと言われる五割一分の名の由来は、その時のお話からいただいたものです。