2006年に初めて富山県富山市千石町でオープンした「パティスリー・シュゥエト / Patisserie Chouette」は富山で名の知れたフランス菓子店。その10年後の2016年には、富山市田中町に現在の新店舗を新築し、リニューアルオープンを果たした。店内にはカフェスペースが用意され、ケーキやデザートだけでなくモーニングやランチなど、食事や台湾茶なども提供される。
五割一分では、テナントであった旧店舗の内装設計からご縁が始まった。新店舗の新築時には、建物全体の設計から、家具や什器の選定を含めた空間デザイン、ロゴや商品パッケージ、ECサイトの制作まで、ブランディングを一括して行い、現在も継続的にお手伝いをさせていただいている。
リニューアルに込められた思い
10代の頃から「いつか自分の店を持つ」と決めていた店主の相澤英樹さん。専門学校を卒業後、大阪にある洋菓子店でキャリアをスタートさせ、そこからホテルなど様々な場所で経験を積み、2006年に富山県富山市内(千石町)のテナント物件で、初めて自身の店を持った。
新店舗のために店主があたためていた思いは、「例えば、フランス菓子と台湾茶が共存する店」。「パリの郊外のケーキ屋さんには小さなカフェがあって、パンが売られ、新聞やたばこも買えるお店が多くあります。菓子屋って日常なんだなと感じます。」そんな思いが込められた店内のカフェスペースでは、相澤さんが選び抜いたカフェ、台湾茶、自家製のソフトドリンク、アシェットデセール、パフェ、フランス家庭料理、クロワッサンなどが楽しめる。
“フランス菓子店だからといって建物も西洋的でなければならない。とは考えませんでした”
新店舗の計画時、相澤さんからは「フランス菓子店だからといって、建物やインテリアをフランス的にする必要はない(日本を感じさせる方向性で進めたい)」というリクエストを頂いた。
「ヨーロッパの国々を訪れてみると、例えば店主が、浮世絵が好きで販売している店でも、建物を日本風にすることはしない。話を聞くと、ちゃんと日本への敬意を持ちつつも、自国の文化にうまく取り入れている。だから“和と共存させる”とか、そういった気持ちではなく、これが自然だという思いです。」
これからのこと
旧店舗のあった富山市中心地から郊外へ移ることで、リニューアルオープンには不安もあった。「レストランとは違い、洋菓子店はあくまでも地元に根付いたもの。遠くなれば、足が遠のいてしまう方が出てくるのも当然。ただ、時代と共にモノは変化する。変化し続けない限り、存続すら難しくなる。自分の描く未来を変えたくないから、今変わるしかないと思ったのです。」
自身の店を持って、2024年で19年目になる。今何か悩みはありますか?との質問に「仕事もプライベートも、やりたいことが多すぎて困る!」そう言って、いつもガハハと嬉しそうに笑う相澤さん。
Patisserie Chouette
ADDRESS / 〒930-0985 富山県富山市田中町1-17-19
TEL / 076-471-8133
ONLINE SHOP / https://fukurou896.base.shop
OPEN / 10:00-19:00
CLOSE / 毎週月曜・第2火曜
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