食卓の家具を揃える際、「チェア」から選び始める方も多いと思います。ただし、素材や色などの選択肢も多いチェア選びは、楽しいけれどその分悩みの種。チェアに迷ったら、テーブル選びに切り替えることで、チェアも選び易くなります。
昨今のスマートデバイスの発達やワークスタイルの変化によって、過ごし方を限定しない空間づくりもポイントとなってきました。この記事では、インテリアデザインの視点と、食事以外の用途や将来的な使い方を考慮したダイニングテーブルの選び方をご紹介します。
ダイニングシーンの用途の変化
近年、ライフスタイルの急速な変化に伴ってダイニングは様々な役割を兼ねるようになっています。例えば「客間」を設ける住宅が減少し、ダイニングスペースでゲストと過ごす機会も多くなってきました。そう考えると、家族人数+αの広さがあると理想的です。
デスクトップのパソコンが主流だった頃、“PCコーナー”を作る住宅が多くありましたが、ノートパソコンやタブレット端末への移行に伴い、その場所はダイニングやリビングに取って代わりました。PCコーナーをリビングから省く事で、ダイニングスペースを大きく確保することもできます。
今後はリモートワークが一般化すれば、反対に集中できる個室のワークスペースの需要も高まるかもしれませんが、住宅のコンパクト化が進んでいる今の暮らし方では、ダイニングテーブルは「茶の間」であり「客間」であり「ワーク&スタディ・コーナー」として、フレキシブルな使い方が求められます。
[1] 4人家族のダイニングテーブル選び
PCコーナーの代わりに、キャビネットを置いて好きなものを飾る場所を作れば、「床の間」のように季節の室礼やインテリアを気軽に楽しむことができます。
まずは4人家族で暮らす場合を想定してみます。テーブルの幅は約120〜140cmあれば4人分の椅子は収まりますが、それより少し大きめのテーブルを選ぶとチェアとテーブルのバランスが綺麗に見えます。
このあたりはチェアのサイズによっても関係してきます。例えばアームの大きなYチェアなどに140cm幅のテーブルを合わせると、プロポーションが少し悪くなってしまいます。ですので、ダイニングテーブルの大きさは、できれば長辺が180cm以上あると理想的です。
ただし、大きめのテーブルを置くほど十分な広さを確保できない場合は、空間にあったサイズを選ぶことがまずは第一優先となります。その場合は、次の項をご覧ください。
[2] コンパクトな暮らしでのダイニングテーブル選び
一人暮らしの場合や、夫婦2人のみの暮らし方など、省スペースでのコンパクトな暮らしの場合も想定してみます。
特に賃貸アパートでは、ダイニングに十分な空間を確保できない場合も多いと思います。
そんな場合は、ついリビングのローテーブルに料理を並べて、床に座ってソファを背もたれに食事をとることになってしまいます。ですが、美しい暮らしを考えるなら、きちんと椅子に座って食事をとりたいもの。
そのためには、ダイニングスペースを確保する必要が出てきます。まずリビングは、大きめのローテーブルはやめて、代わりにコーヒーカップくらいは置けるほど(40cm前後)のサイドテーブルにすればリビングも広く使えます。また、スマートデバイスや動画配信サービスの充実によって、これまでの「テレビ中心」の暮らし方が薄れつつあります。そう考えるとテレビとソファを正対配置する画一的なレイアウトにとらわれる事もなく、小さなソファを置くより一人掛けのラウンジチェアの方がスペース確保にも繋がり、引っ越ししても部屋の広さに関わらず、永く使っていけるのではないでしょうか。
さらに省スペースを考えるなら、ダイニングテーブルは作業デスクと兼用しても良いでしょう。最低でも70㎝角~90㎝角(円形なら直径75~90㎝)あれば、お一人なら食事もちょっとしたデスクワークも十分に行えます。
[3] 将来を見越したダイニングテーブル選び
現在は賃貸暮らしでも、将来マンションや家の購入や新築を考えるなら、今後の使い方を見越した家具選びをすれば、せっかく買った家具を無駄にしてしまうこともありません。
例えば、人数の変化に対応できる伸長式のエクステンション・テーブルも選択肢のひとつです。家具を永く使い続ける文化が根付いている北欧では、市販のダイニングテーブルの多くが伸長式であることも納得できます。彼らは子供が巣立った後、夫婦だけの暮らしに戻るところまで考えているのです。また、子供たちが独り立ちするときには「家にある家具を持っていきたい」と親にねだる、というのはよくある光景で、「良い家具は受け継がれるもの」という文化が根付いています。
「買い替え」前提の場合でも、その後の別の使い道を考えておく事でも長年愛用できます。幅120~140cmくらいのテーブルなら、ワークデスクや子供の勉強机としてもちょうど良いサイズです。
このように長期的な使用年数を考えて「買い直し」を控えれば、無駄な出費も抑えられます。また、自ずと耐久性もデザインも長く使える良いモノが欲しくなり、家具選びがさらに楽しくなるでしょう。「永く使うものに」少し予算をかけることは、決して贅沢なのではなく、妥当であると言えます。
[4] 子供の自立後、夫婦2人のダイニングテーブル選び
子供が家を離れて夫婦2人の暮らし方に戻っても、時々帰省したり、子供が結婚をすれば家族で集まる機会も増えてくるでしょう。また、これまで以上に少子化が進む昨今、友人同士で気軽に集まれる場所があることは素敵です。
年に数回、人が集まる場所をダイニングに想定した場合、やはり大きめのテーブルか伸長式のエクステンション・テーブルがあると便利です。また、ダイニングだけでなくリビングも含めて大人数で集まる場合は、リビングとダイニングの距離間を考慮した家具配置を再検討するのも良いかもしれません。
現在、座卓で食事をされている方も、実際には年齢とともに椅子の方が楽になってきますので、ダイニングテーブルでの食事スタイルを再検討するタイミングとも言えます。
*****
テーブル形状の種類について
・長方形テーブル
一般的な長方形のテーブルは壁付けができ、空間を無駄なく有効活用できますが、テーブル天板の形状はそれぞれに異なった特徴がありますので、空間に対するレイアウトや使い方に応じて選びます。
・ラウンド型テーブル
円形テーブルも根強い人気です。円形は、お互いの顔が見やすく、チェアを自由に配置できる角のない形状ですので人数の変化にも対応しやすいです。
・エクステンションテーブル
エクステンションテーブル(伸長可能なテーブル)は人数の増減に対応できます。
簡単に広げたり畳んだりできるバタフライテーブルのCH006テーブルは、楕円形・伸長式でありながらも近年のロングセラーで、ダイニングの定番となりつつあります。
・オーバル型テーブル
楕円形のテーブルはインテリアにリズムが生まれ、視覚的なリラックス感を作り出します。生活動線がよりスムーズに多角的にも。
ダイニングテーブルの選び方は、難しいようで意外とシンプル。家族構成や、購入のタイミング、ダイニングルームの使い方、将来の用途を考えることで、自然と自分たちの暮らしにあったテーブルが見つかります。また、テーブルに相性の良いチェアの選び方、テーブルサイズに合わせたペンダント照明のサイズや照度の選び方なども重要です。
51%storeでは家具選びのお手伝いから、インテリアコーディネートのご提案、各ブランドのショールームの見学予約の手配まで、家具選びのサポートを行っています。美しくて、心躍る暮らしを求めていらっしゃるのであれば、どうぞ気軽にご相談ください。
無料相談
他社様で設計される新築住宅や賃貸物件、店舗オフィス、どんな場所でもご相談ください。
○ご相談例:家具・照明・カーテン等を含めたスタイリングを相談したい
ダイニングに合わせたペンダント照明の提案をしてほしい etc…
お電話(076-491-5151)や51% Storeへ直接のご来店でも承っております。
*****
51% Interior Information
「住宅」はもとより暮らしに纏わる「家具」ということになると、洋服のように気軽に着替え、ワードローブを流行に合わせ入れ替えるというわけにはいきません。51% Interiorでは、流行に左右されず、奇を衒わずオーソドックスで気品があるものを重要ととらえ、スタンダードでタイムレスなデザインに重点を置いています。
PHONE 076-491-5151 / CONTACT